先輩インタビュー02

入局案内

小林 知子

患者さんにも若手にも「寄り添う」気持ちを大切に

小林 知子(助教)
Tomoko Kobayashi

大学病院に来院する患者さんは、多かれ少なかれ病状不安を抱えて緊張されていると思います。そんな方に初対面でかなりシビアな話をしなければならない場合も…。患者さんの不安を少しでも軽減するために、私はその患者さんのことを「家族の友人」だと思って接するよう心掛けています。心に寄り添い、丁寧に説明を重ねることで、患者さんに安堵の表情が見られたり、ここを受診して良かったと言われたり。そんな日々の積み重ねが自信となり、今日の私を作っています。
「上機嫌は職務」だと私は考えています。患者さんに対してはもちろん、先輩・後輩医師やコメディカルスタッフともコミュニケーションが取れなければこの仕事はできません。とくに上の立場になると、自分の態度や声のトーンなど、ささいなことが場の雰囲気を左右し、周囲の人のパフォーマンスに影響することを自覚しなくてはいけないと思います。
長く続けてきた臨床医の仕事にやりがいと楽しみを感じていますが、後輩が成長する姿を見るのも喜ばしいものです。若手を「育てる」というより、自然に「育つ」ためのサポート役でありたいと思っています。

(2000年入局/専門医/千葉大学出身)

入局の決め手になったこと

当時の公文教授・那須助教授の、泌尿器科研究に対する熱意に感銘を受けたことがきっかけで入局を志しました。同時期に関連病院で実際の仕事を見学したり先生のお話を聞いたりする機会があり、そこで研究から臨床まで働き方に多様性があると感じたことも、入局を決めた理由の一つです。

担当している業務

外来医長として、初診外来を1コマと、専門外来を2コマ担当しています。 火曜と木曜の手術日には、自分の専門分野である女性泌尿器科領域の手術をおもに執刀します。後輩の手術のスーパーバイズに入ることもあります。後輩たちの成長していく姿を間近で見られることに、私も嬉しさを感じています。

1日の流れ

8:00 カンファレンス・抄読会 カンファレンスと抄読会は週1回ずつ全員参加で行われます。カンファレンスは困難症例を扱うこともあるので勉強になります。自分の症例もよく相談しています。
抄読会はオンラインで開催。自宅から参加できるので、子育て中の身としては助かっています。この時間には学会の予演もあり、専門外の知識が得られます。これは大学病院ならではの利点ですね。
外来日は早めに出勤して検査オーダー依頼に対応したり、外来クラークと情報を共有したりします。

9:00 一般外来

予約の患者さんに加えて、初診紹介の患者さんの診察を行います。前治療を経て来院する方がほとんどのため、病歴が複雑なことも多く、予診の先生の存在は大変助かります。専門外の難解な症例については「お隣にちょっと相談」しやすいのが、多診制である大学病院のメリットです。

12:45 昼休憩

みんなで宅配弁当を注文する日があり、この日は子どもたちの弁当も作らないと決めています。仲間とおしゃべりしながらおいしいお弁当を食べるのは、幸せを感じるひとときです。

13:00 専門外来 専門外来には外部から助っ人の先生が来られるので、情報交換ができて有意義です。ただ、ひととおり診療が終わるまではひたすら仕事をするのみです。
17:00 会議 外来医長という立場なので、毎週何らかの職員会議に出席します。各科の窓口である先生と顔見知りになれるチャンスでもあります。 会議終了後、紹介状の返事などが残っていれば片付けます。
18:00 退勤 メール対応や学会関連の事務作業、講演のスライド作成、調べものや書きもの。タスクを細分化して、すきま時間にできることをコツコツ片付け、なるべく18:30までには退勤するようにしています。こういった業務は持ち帰っても実際はできませんからね(帰れば母としての仕事があるので)。

研究について

大学院生時代に新規がん抑制遺伝子の基礎研究をしていました。おもにcell lineとアデノウイルスベクターを用いた研究です。
研究は初めから答えのある問いではありません。とくに基礎研究で思うように結果が出ないときは、仮説が間違っているからなのか、実験システムや試薬が問題なのか、はたまた単に自分の技量が低いからなのか分からず、心が折れそうになったこともしばしば。トライ&エラーを繰り返し、良い成果が得られたときの達成感はひとしお。根気よく指導してくださった当時の先輩には今でも感謝しています。



入局を考えている方へのメッセージ

誰しもその人ならではの良さがあり、その良さを受け止めて伸ばせる医局だと思います。泌尿器科は外科系でありながら内科的要素も持ち合わせている科でもあります。手術も行うし、薬物療法で治療することもあります。泌尿器科ってなんだか楽しそうだなと思ってくれるだけで素質は十分!ぜひ仲間になってください。気さくな先輩医師たちが安心して成長できる環境を整えて、あなたの入局をお待ちしています。

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