先輩インタビュー01

入局案内

河田 達志

モットーは広い視野とサステナブルな医療

河田 達志
Tatsushi Kawada

長期的な視野で医療を考えることができる。それが泌尿器科医師の魅力だと私は思います。自身の診断をもとに、内服管理や化学療法のほか必要に応じて手術を行い、場合によっては緩和療法や看取りまで。診断・治療からフォローに至るまで、それぞれのフェーズで患者さん一人ひとりに向き合うには、次のステップを見据えた多角的な視点が大切だと考えます。
それに加えて泌尿器科は、診療科目が多岐に渡っています。内分泌疾患、尿路結石、悪性腫瘍、腎移植などのほか、最近では男性不妊やトランスジェンダーも診療の範疇です。手術に関しても経尿道的治療や腹腔鏡手術、ロボット手術、小児の手術から移植まで術式は幅が広いです。患者さんにとって最良の方法を選択するために「サステナブルでより良い医療の提供」を心掛けています。特定の人だけがんばるのではなく、皆がポジティブな考えをもつことができるように、医局が一丸となって助け合いながら提供できる医療が、患者さんにとっても良い医療であると信じています。
年々立場は変われど、チームの一員として当科がより良い医局となり、岡山大学泌尿器科で診てもらって良かったと思う患者さんが増えることが目標です。

(2014年入局/専門医/東京医科大学出身)

入局の決め手になったこと

大学在学中、見学に訪れた時のこと。たくさんの医局員が生き生きと活躍している様子を目の当たりにしたことがきっかけです。活気と一体感に満ちた雰囲気で、自分もここで勉強したいと考えるようになりました。
もう一つの決め手は入局後の進路についてです。臨床から取り組んでも良し、大学院からスタートしても良し。希望に沿ったキャリアプランを形成できることも魅力的でした。

担当している業務

おもに臨床業務を担当していて、外来診療、病棟業務、手術などを行っています。
私の外来診療は週2回で、月曜は初診を含む泌尿器科全般の診療、金曜はおもに泌尿器腫瘍に対する薬物療法を行っている患者さんを診ています。
病棟業務はチーム医療なので、私の担当である診断や治療方針の決定はもちろん、円滑なコミュニケーションが行えるような環境づくりにも気を付けています。

1日の流れ

■手術日(火・木曜)
8:00 カンファレンス・抄読会 カンファレンスでは予定手術症例や治療方針の決定に議論が必要な症例を共有。さまざまな意見を聞くことで幅広い知識が得られます。
抄読会では持ち回りで興味のある論文を深読し、医局員にプレゼンテーションします。論文の解読力とプレゼン能力がアップします。

8:30 手術

  • 経尿道的手術、前立腺生検、尿管ステント留置 交換 、精巣・陰嚢手術、腎瘻留置:
    レジデントが執刀し、主に監督役、助手としてノウハウや注意点、トラブルシューティングなど正しい知識を指導します。
  • 腹腔鏡手術、ロボット手術:
    おもに術者、助手として手術に入ります。大学ならではの困難症例も多く、トップレベルの執刀技術を一番近くで観ながらチームとして貢献します。術者としては上級医の監督をいただきながら安全かつ合理的な手技を習得できます。
  • 腎移植:
    腎移植症例は年々増加傾向。世界トップレベルの移植チームで体系的に周術期管理、手術手技を勉強することができます。
  • 女性泌尿器、ジェンター、不妊:
    大学病院ならではの手術。興味があるレジデントは希望に応じて優先的に手術を経験することができます。
13:30 昼休憩 手術の合間に時間が取れれば食事を済ませます。手術が続く日は体力勝負なので、手早くしっかりと。
17:30 退勤 病棟業務が終わり次第終業。手術が早く終わったら、仲間と飲みに出かけることも。
■外来、処置、病棟(月・水・金曜)※外勤の場合あり
8:00 病棟 まずは入院患者さんの情報を整理。チームで回診を行い入院中の検査、治療方針を指導医とともに検討します。月・水曜は病棟医長、教授回診日。ショートプレゼンテーションを介して症例ごとの要点をまとめる力が身に付きます。

8:30 外来・処置

担当の業務をこなします。判断に迷った時は上級医に相談しやすい環境です。外来処置についても系統的に勉強することができます。

午後 病棟

病棟業務を中心に、施術前日には手術や化学療法について説明します。緊急入院や処置が入ることも。時間がある時はフレキシブルにカンファレンスの準備などができます。

17:30 退勤 病棟業務が終われば退勤。プライベートの時間がしっかり確保できます。

研究について

私はおもに泌尿器癌に関連する臨床研究を行っています。日常臨床からクリニカルクエスチョンを見つけ、仮説を立てるようにしています。先行研究で仮説の検証がなされてない場合は、研究課題として難しい理由を考えます。検証可能であれば、試験デザインを考慮してデータを収集・解析、そして仮説の検証を行います。
臨床の疑問点を解析し、検証結果を世界に発信することで、医学の発展に役立つことが期待されます。また、他施設とともに研究課題を検討し、作成した共有のデータシートをもとに研究を行うことで、他大学の先生方との繋がりが深まりコミュニティーが広がるという効果も。さらなる活発なディスカッションを通じて良い刺激を受けることができています。



入局を考えている方へのメッセージ

先輩も同僚も仲が良く、仕事上はもちろんプライベートなことでも、困りごとや悩みが気軽に相談できる雰囲気です。人数が多く個性豊かな医局なので、気の合う仲間がきっと見つかるはず。留学経験をもつ医局員も多数在籍しているので、留学を考えている方はあらゆる経験談が聞けると思いますよ。
泌尿器科は診療分野が幅広いので、個人に合ったサブスペシャリティーにきっと出会えるはず。ライスワークではなくライフワークを見つけられる医局であることを実感しています。
ぜひ一度見学に来ていただき、岡山大学病院泌尿器科医局を体感していただければ幸いです。

 

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