精巣腫瘍・副腎腫瘍・その他希少がん

診療案内

精巣腫瘍とは

精巣に発生する腫瘍の多くは胚細胞腫瘍という精巣癌です。精巣癌の発生率は人口10万人あたり1~2人と稀な疾患ですが、小児や20~30歳代の若い男性に多いといわれています。組織の種類によって、セミノーマと非セミノーマに分類されます(治療方針や予後が異なります)。約30%で転移を有する進行性精巣癌として発見されますが、近年の化学療法を始めとした集学的治療の進歩により、その約80%の症例で治癒が期待できます。

主な症状としては、痛みを伴わない精巣の腫大や硬結です。精巣上体炎や陰嚢水腫などの良性の疾患と症状だけでは鑑別が困難なこともあります。精巣癌を疑う場合は、まずは超音波検査や腫瘍マーカー測定が行われます。診断が困難な場合はMRIを施行することもあります。しかし、最終的には高位精巣摘除術により、精巣を摘出し、病理検査に提出した上で病理学的な確定診断に至ります。精巣癌と診断された場合は、転移しやすい後腹膜や縦郭リンパ節や他の臓器に問題がないかどうかをCTやPET検査で調べる必要があります。転移を認める場合や、精巣を摘除した後も腫瘍マーカーの高値が持続する場合は、抗癌剤を使用した化学療法を術後に開始します。最も多く使用されるのはブレオマイシン、エトポシド、シスプラチンを併用したBEP療法です。セミノーマの場合は、放射線療法を術後に行うこともあります。化学療法後にも腫瘍が完全に消失しない場合は、手術により残存腫瘍を摘出することもあります。

精巣癌では、精巣摘除や化学療法などの治療に伴う妊孕性の低下が重要な問題です。治療により精子を造る機能が低下し、治癒後に挙児を獲得できる可能性は70%といわれています。そのため、将来的に挙児を希望する男性では治療前の精子凍結保存が勧められます。もし凍結保存を検討したり迷っている方は主治医までご相談ください。「がんと生殖医療ネットワーク OKAYAMA」において、当科も岡山大学病院産婦人科や岡山市内のクリニックの不妊治療を行う医師と互いに連絡を取り合って診療にあたっています。

副腎腫瘍とは

副腎腫瘍は内分泌異常(ホルモン産生異常)を伴うものと、そうでないものに分けられます。内分泌異常を伴わないものに関しては経過観察可能なものもありますが、内分泌異常を伴う場合には当院内分泌内科、総合内科と連携し、検査・診断をすすめてまいります。

症状を伴わなく、他疾患の検査で偶発的に発見される症例も多くあります。指摘された場合には専門医の受診をお勧めします。

治療

手術療法が基本で、当院では腹腔鏡下(ロボット支援)を主に行い、全国でも有数の件数です。また両側腫瘍に関しては部分切除なども行い、より低侵襲な治療を心がけています。

その他泌尿器希少癌疾患

尿膜管がん、陰茎がんなど希少な癌に関しても当院腫瘍内科と連携し、診断治療を行っております。
希少癌に診断された患者様、もしくは疑わしい患者様を診察されている先生がたは当科にお問い合わせください。

PAGE TOP