膀胱癌

診療案内

膀胱がんとは

尿道から排出するまでに尿をためておく袋である膀胱に発生する悪性腫瘍です。膀胱癌は3:1の比率で男性に多く、50歳以上の方に多く発生します。喫煙者は非喫煙者の6倍膀胱がんを発症しやすく、また喫煙年数や1日喫煙本数も関係すると言われています。

症状

早期では無症状のことも多いですが、自覚症状としては痛みを伴わない血尿が特徴的です。その他、排尿困難や頻尿を認める場合もあります。

診断

超音波検査、膀胱鏡検査、尿細胞診検査などを組み合わせて診断を行います。MRI検査で、がんの深達度(深さ)を、CT検査で全身への転移の有無を調べます。

治療

手術には経尿道的手術(尿道から内視鏡を挿入して行う手術)と、全摘手術の2つに大別されます。

経尿道的手術

早期がんの場合は、この手術のみでの治療が可能です。当院では5-アミノレブリン酸(5-ALA: アラグリオ®)という薬剤を用いて腫瘍を赤色に蛍光発光(光線力学診断)させることで、より正確な診断と小さな癌を見落とすことを防ぎ、術後の再発率低下に努めています。5-ALAを使用することで膀胱上皮内癌(CIS)の検出率向上につながると考えられており。一人一人の患者さんに対して最適な治療を行っています。またこの手術で深達度が深いと診断される場合には、後述する全摘手術の適応となる場合があります。

膀胱全摘手術

当院では2012年より腹腔鏡手術で膀胱全摘手術を行っています。2018年からは、手術支援ロボット(DaVinci)を用いて、手術侵襲(ストレス)を減らし、より安全に手術を行っています。それにより、手術時間の短縮、手術後の早期回復につながっています。膀胱全摘後の尿路変向(膀胱摘出した代わりに必要となる尿の排出する通路の再建術)は、尿管皮膚瘻、回腸導管、新膀胱などがあります。我々は、2019年より尿路変向を含めた手術手技すべてをロボットを用いて体腔内で行う術式(ICUD)を行っています。
また膀胱全摘が必要となる浸潤性膀胱がんの場合、術前化学療法を行うことで5年生存率を改善することが示されています。当院でも積極的に手術前化学療法を組み合わせて、治療成績の向上に努めています。化学療法としては、従来のGC(ゲムシタビン+シスプラチン)療法に加え、近年GC療法より3年無増悪生存率を改善することが示されたdd-MVAC療法を導入しています。これにより、患者さんのさらなる治療成績の向上を目指しています。

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